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❅·̩͙30 ページ30

それから目黒と向井は保健室で話すだけの
「お友達」になったらしい。



話してくうちに分かったのは、目黒も女が苦手であること。
そして、白雪に入ったこと。



白雪に入ってからの目黒は見違えた。
まるで別人のように表情が柔らかくなり
荒んでいた心が更地になったみたいだった。



向「…めめみたいになれるかもって思ってふっかさんに会いに行ったら
一目見ただけで、ふっかさんがハグしてきてん」



いらっしゃい、目黒から聞いてたよって。
久々に感じる人間の温もりに視界が滲んだとき、
隣のイカつい人から渡されたオレンジの雪。



白雪になってからも教室に入れるのは毎日じゃなくて
校内では幻の8人目だと言われているけれど
それでも、自分が存在している実感が持てた。



居場所がある。
それが歳の近い男の輪の中に。
中学から何より得たかった男友達。
白雪に、なにより目黒に。



自分は救われたのだと。



向「女嫌いなめめが連れてきた人やから大丈夫やとは思ってた。
それだけじゃやっぱりちょっと不安やったけど、
良い意味で俺に全く興味無くて、目もくれん先輩見て
ほんまにこの人は大丈夫やと思いました」



向「…これから仲良うしてください」



俯いていた視線が上がる。
笑っていた。



「こちらこそ。あと、助けてくれてありがとね」



こくっと頷いた向井に私も小さな微笑みを返す。
色んなやつがいるって目黒言ってたけど
本当にその通りだったな。



人生どこで誰とどう交わるか、分からないものである。



2階に居ても聞こえる大声が校門から響いた。
窓から見下ろせば、巻き込まれる覚悟もないくせに
相変わらず群衆は減っていない。



こちらの頭はようやく到着されたようで
気崩しまくった制服を一応着て、ごつい男の前に対峙していた。



何を言ってるかはもちろん聞こえないが
なんか話している様子が窺える。



向「俺も向こう行ってくるから、先輩ここに居てください」


「はーい」



背中に投げられた言葉を適当に流した。
見たところ教師は1人もいないが、一体何をしてるのか。



仮にもこの学校の生徒が族に喧嘩をふっかけられている。
いくら彼らが族だからと言っても何も対応しないのは
後に糾弾されると思うが。



綺麗なふっかの後ろに立つ、髪が乱れた幹部以上の3人と
渡辺とだてと目黒とラウール…向井も向かったのでつまり全員。



窓を開ければ、微かに声が聞こえた。



「 嘘つくんじゃねぇよ、女がいんだろ 」

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hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時

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