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❅·̩͙22 ページ22

しばらくお世話になるということに
抵抗がないわけじゃないけれど
その方が安全だと言うなら従わない理由はない。



とりあえず荷物を取りに行かなきゃならない。
ちょうどいいし車で行こうかとキーを手に
エレベーターの前に立つと、隣に並んだ青い雪。
後ろで俺も行くとかなんとか聞こえるが
誰かに引き止められているらしい。



『俺荷物持ちね。ついでに車見たいし』


「…車がメインでしょ」


『バレたか』



調子いいこと言ってついてきた渡辺が
車を見た瞬間固まった。



どうぞ、とドアを開けたら、朝のふっかみたいに口を覆った。



「乗らないの?笑」


『待って、さすがに予想外』



まあ、そうでしょうな。
固まってる渡辺の肩を押して助手席へ誘導する。
エンジンをかけて動かせば、徐々に目が輝き出す。



佐久間と一緒じゃん。



『俺よりイケメンなのやめてよ』


「渡辺がもっとイケメンになりゃいいでしょ」


『俺車はダメだね。合わないと思う』


「じゃあ私は越えられないね」



とか何とか言いながらうちに到着した。
荷物見られるのは嫌だけど、外や車で待たせるのもなと思い
玄関まで入ってもらう。



さっきまでの空間と違い、しんとした私の家。
私は暮らしてるはずなのに人が生活してる感じがない。



いつまで向こうにいるのか分からないけど
1週間分ぐらい着替えがあれば大丈夫かとカバンに突っ込み
その他諸々必要品も大きいカバンに入れて玄関に置く。



それを渡辺が車に運搬してくれた。



『こんでいーの?』


「うん。一旦は」



足りなければまた足せばいい。



車に戻ってシートベルトをつけて
さぁ帰ろうとレバーに触れた時、渡辺によって
私が次に起こす予定だった行動が遮られる。



『ちょっとだけ、ドライブしてよ』


「え…私そんなにどこでも運転出来るわけじゃないよ」


『だめ?』



首を少しだけ傾げて甘めの顔して私を見てる。
なるほど、渡辺に沼る女子の気持ちが少しわかった。



この人自分の可愛さを把握してる。
許されることを知っている。
だから、ここで折れたら周りのちょろい女と同じだ。



「うん、だめ。白雪帰る」



断ると思っていなかったのか一瞬目を丸くした渡辺が
朝と同様ほっぺたを膨らませた。
そんな顔したってね、私は負けないもんね。



『……けち』


「けちでいいですよー」



エンジンをかけて、来た道を戻る。

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hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時

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