�� ページ42
岩本side
ラウ「しょっぴー、会いに来たよー！」
翔太「ラウ…」
ふっかと入れ替わるようにしてラウが部屋に入ってくると、翔太が嬉しそうにつぶやいた。
翔太「3人だから…トランプしたい。」
ラウ「お、いいね。この部屋にないから取ってくるね！」
岩「ありがと。翔太ゆっくり起き上がれそう？」
ふっかや舘さんによると起き上がるときや立ち上がるときに特にめまいが出やすいらしいから、慎重に身体を起こさせる。
ババ抜きをはじめると、時間が経つにつれて笑い声もあげてくれるようになって。
だけど、ババ抜きが三回戦目に入った頃、翔太がおもむろに口を開いた。
翔太「ねえねえ、しょーたのめまい治ると思う？」
トランプを引こうとしていたラウが手をとめて翔太の顔を覗き込む。
ラウ「…心配？」
翔太「ん…。だって、お昼間でも目の前が急に暗くなって、すぅーって気が遠くなって怖いんだもん」
ラウ「そうだね…怖いよね」
翔太「ん。」
数秒間の沈黙ののち、小さなしずくが一粒、テーブルの上に散らばっていた捨て札の上にポタリと落ちた。
岩「翔太…」
翔太「…んふふ、続きやろ？ 照、早く引いて！」
手に持ったトランプをグイっと俺に差し出してくる。
…そんなに水分量の多い真っ赤な目で笑ったって、説得力なんてねーし。
岩「…先生や看護師さんたちの前で言いにくいこと。今、言っていいよ？」
翔太「……ぇ？」
岩「別に先生たちに告げ口もしないし。俺とラウと翔太しかここにはいないから。…な、ラウ？」
ラウ「うん。ぜーんぶ受けとめる。」
俺とラウを交互に見た翔太は少し考えたのち、トランプをテーブルの上に置いて。
代わりに脇にあったぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
そして小さな声で、ぽつり、またぽつり、と話し始める。
翔太「あしたはね、わざとめまい起こす検査あってね、その次の日は頭の中の写真、機械で撮るんだって…」
「ずっと入院してるし、これからもしょーたのからだはこのままなのかな」
「先生たち頑張ってくれるけど、実はたまーに、本当に助けてくれるのかなって思っちゃう日があるの」
「…朝起きたら、めまいも検査も、他の病気も、全部全部、ぜーんぶなくなってたらいいのに。」
最後に小さな声で、でもはっきりとそう言った翔太は、伸ばされたラウの腕の中に飛びこんでぎゅっとその腕をつかんでいた。
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シルク(プロフ) - アンナさん» こちらこそリクエストありがとうございました！読んでくださる皆さんは💙以外なら誰が好きなのかな〜なんてたまに気になってました🤭 💛さんいいですよね〜。また絡み書きますね！ (3月31日 9時) (
レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - リクエスト応えてくださり、ありがとうございました！💙💛の絡みが個人的にすごく好きなので、また是非よろしくお願いします♪ (3月30日 22時) (レス) id: 3278b67723 (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - えなさん» こちらこそリクエストありがとうございました！自分なりに奮闘する感じが、私的にもお気に入りのお話になりました🤭 これからも頑張ります♪ (3月20日 23時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - リクエストに応えていただきたいありがとうございます！これからもお話し楽しみにしています🌟 (3月20日 20時) (レス) id: 2ee6bfb48d (このIDを非表示/違反報告)
シルク(プロフ) - ナオさん» ご感想ありがとうございます！おそらくリクエスト頂かなかったら、こういうテイストを書くことはなかったと思うので、私の方こそ感謝です✨ 是非是非これからも遊びに来てやってください♪ (3月14日 17時) (レス) id: bca21cf36f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シルク | 作成日時：2024年3月9日 23時
