相思相愛ですから。 ページ10
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ありがたいことに大忙しの俺ら。
マネージャーのAは俺専属と言っても、現場が被ってるメンバーがいれば1日そのメンバーに着く時もある。
雑誌の撮影中。目黒とペアで、くっつきながらカメラマンさんの要望に応える。
ある程度終えて「あとは自然な表情撮るから自由に喋っていいからねー」とカメラマンさんに言われ、格好はそのままでおしゃべりをする。
「舘さん舘さん」
「ん？」
「Aさん、また口説かれてるよ」
「ええ、」
...本当だ。口説くと言っても話し込んでるだけなんだろうけど。時には真剣な表情を見せていて、仕事の話でもしてるんだろうな。
「お仕事の邪魔はしたくないからなあ」
楽しそうだし、止めるのも嫉妬するのも違うよね。でもモヤモヤは止まんなくて。
「舘さんでも悩むんだね。」
「...Aのことばっかだけどね。」
「んはっ、ほんとふたりとも最高。」
「え？」
どこか楽しそうな目黒を不思議に思っていると撮影が終わったようだ。
『ほら、撮影終わったから離れる！』
怒った顔でずかずかとこっちに近づいてきて言う。
「離れるって...別にくっついて無いっすけど。」
そういいながら何故かバックハグしてくる目黒。
『目黒ー！涼太から離れてよー！！』
今日のAは騒がしいなあ。撮影終わったよ？と目黒を見上げる。
『あー！涼太もそんな目で目黒見ちゃダメ！』
「そんな目ってどんな...」
『はいはい次の現場！YouTube撮るからいつものとこ行ってね！』
カメラマンさんとかに挨拶してくるから。そう言ってAが行くと目黒が離れる。
「なんだったんだ...」
「撮影中、Aさんずっと俺の事睨んでて笑」
近すぎる距離に嫉妬してくれたってことなのかな。心がじんわりあたたかくなる。すると目黒がクスッと笑って言った。
「舘さんもAさんも、お互いが大好きなんですね。」
羨ましいっす。そう微笑む目黒の言葉に顔が赤くなって、それを見た挨拶を終えたであろうAに目黒は『涼太を口説くな』って言われていた。
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「ちょっとだけ離れよっか」
『やだ。』
家に帰ってからずっとくっついているA。トイレに行きたいだけなのにこのざまだ。
『やだ、離れないで』
「やだって言われもなあ。漏れちゃうよ。」
『いーよ』
「良くないの。すぐ帰ってくるから。帰ってきたら、ね？」
『...うん。』
「それまでガマンね。まてだよ、まて。」
『わん。』
「ふふ、いいこ。」
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作者名：東雲 | 作成日時：2023年2月4日 1時
