-dt- ウワサのふたり。 -男主- (ページ7)

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トイレに入ると手を洗うAの姿を発見して肩を叩く。

『わ、りょーた！』
「ずいぶん呑んだみたいだね」

楽しそうだったし。そう言って赤く染まった頬に手を添える。

『あーうん、盛り上がっちゃって。』
「そっか。楽しかった？」
『うん！』
「それは良かった。」

頬に親指を滑らせて耳を触るとぎゅうっと目を瞑ってん、なんて言って身をよじる。

「...そんな声出さないの。」
『だって変な触り方するから...っ』

耳を指でなぞって息を吹き込んだりして。びく、と肩を揺らして身体から力が抜けたAを支える。

『っも、や....』
「ふふ。戻ろっか。」

メンバーはともかく、付き合ってることを知らないスタッフさんに怪しまれちゃう。身体を離そうとするとぎゅうっと服を掴まれて。

「A？」
『もうちょっとふたりになりたい、です...』
「...。」

腕を引っ張って、個室へ入る。
鍵を閉めるとAが胸に飛び込んできて勢いで壁に激突すると思わずいて、と声が出る。

『あ、ごめん』
「大丈夫、笑」
『...笑』

トイレの個室で...ってなんだか嫌だけど、くだらないことで笑いあってるこの時間が幸せだ。

身体を回転させてAを壁側に。啄むようなキスを落としてどんどん深くしていく。耳を塞いでちゅ、ちゅなんて音をAの脳内に響かせて。

甘い声をもらすAに掻き立てられるなにかをグッと我慢して唇を離すと。

『っ、は、むり....』

キャパオーバーしたんだろう。煙が出てんじゃないかってくらい顔を赤くして意識を飛ばしてしまった。

トイレから出てAをおんぶしながら個室へ向かう。
扉を開けると注目を浴びる。...そりゃそうですよね。

「あ〜、宮舘さん南雲の介抱ありがとうございます。」

俺が頼んだんです。そう言ってくれたのはAと同期のマネージャー。そっか、俺らの関係知ってるんだもんね。

すいません、と謝ると全然！と笑顔で返してくれる。おまけにそっちで見ててもらって良い？なんて言ってくれて。

さっきみたいにふたりきりではないけど、そばに居れる時間をくれたマネージャーには本当に感謝だ。

「Aだいじょーぶ？」
『だいじょばない...はずい...』

きゅうりを食べながら言う佐久間に、テーブルに突っ伏したAが真っ赤な耳を晒しながらもごもご言っていた。

「だてさんナニしたの笑」
「さぁ笑」

この後Aは、お酒でも大好きなオレンジジュースでもなく、水しか飲まなかった。