メンバーだからってダメです ページ4
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事務所のいつものソファーの上。
仕事を終えた俺たちと、ラウールのわがままにより同じ空間で事務作業をするA。
「ねえねえ！Aさん」
『ん？』
キーボードを打っていた手をわざわざ止めて顔を上げて、こてんと小首を傾げるA。かわいいからメンバーの前でそれはやめて欲しい。
「アクロバットできるってほんと？？」
目をキラキラさせて言うラウールに、ほんとだよ。と答えるA。
『誰に聞いたの？笑』
「さくまくんが言ってた！」
6人でアクロバットを練習したJr時代。当時から俺らのマネージャーだったAは小学生の時に体操の習い事でやったことがあったそうで。
それを知っていた滝沢くんが「Aにアドバイスもらえば？」なんて言って教えてもらいながらやったっけ。
当時から付き合っていたけど、支えるために触れられた部分が熱を持ったり、Aに触られるメンバーに嫉妬したりして、集中してなんて軽く怒られたのはいい思い出。
「こいつ腹筋とかも割れてんだよ」
そう何故か誇らしげに言う翔太。なんで知ってんのかは置いておく。
「えー！ひょろひょろなのかと思ってた！」
『失礼な笑
何かあった時のために鍛えてんの。』
「なにそれかっこいー！」
そう言ってガバッと横からAに抱きつくラウール。
はいはい、いつものやつね。Aが年下に懐かれてるのちょっと嬉しいかも。そう思ってるとラウールが爆弾発言をする。
「Aさんの腹筋見てみたい！」
動揺して思わず持っていたスマホを落とす。
ラウールとはいえ見せたくない。というか誰にも。でも嫉妬深いなんて思われたくない。ましてやメンバーに。
「わ、かたーい！」
『あ、こら』
そんな会話にラウールに目を移すと、Aが服の上からお腹を触られていて、拾ったばかりのスマホを滑らせてしまう。
服の上だから良いとかの問題じゃない。Aも何触られてんの！そんなことを考えて悶々としていると翔太が俺の様子を見てニヤついて言った。
「前と比べてどんくらい鍛えられてるのか俺も見てーなー」
....翔太？勝手に俺の味方だと思ってたから、なんだか裏切られた気分。
それより前にも見たことがあるような言い方についモヤッとして。いつ？どこで？なんのために？
絶対見せないでよ....そうじっとAを見つめてると机に置いてあったAのスマホが震えた。
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作者名：東雲 | 作成日時：2023年2月4日 1時
