やましい気持ちは一切ありません！ ページ22
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生まれた時から一緒の幼なじみだからわかる。
涼太が具合悪いってこと。
今は新曲の振り入れ中で、中断できる雰囲気ではなさそう。
ちらっとAの方を見ると心配そうに涼太を見つめている。
「舘さん息荒いけど大丈夫？」
「っはぁ、うん。ちょっと疲れちゃったかな？」
いつもと様子が違うと思ったのか、涼太に声をかけたラウールの問いにそう力無く微笑む姿は見てらんない。
涼太のことだから、気を使われたくないから隠しているんだと思う。俺からしたら全然隠せてないけど。
てかまあ多分、みんな気付いてる。
「ねぇ照〜そろそろ休憩しよー」
見兼ねたふっかがそう言えばみんなが賛成して、各々休憩に入る。涼太はほっとしたように椅子に座って、ふうと深呼吸をして体調をなんとか誤魔化そうとしているようだった。
10分ほどの休憩が終わればみんなが立ち上がって、涼太もなんとかみんなの所へ行くけど心做しかフラフラしている気がする。
さすがに見ていられなくて名前を呼ぼうと口を開けば先に聞こえたのはAの声。
どこか不機嫌そうな表情で俺らの方に向かってくるから、隣にいる康二は「怒ってる...？」なんてビビって俺の服をぎゅうっと握っている。
よく見ると片手にはペットボトルの水を持っていて、口に含みながら歩いて涼太の前に立って、頬を包んでキス....
キス！？
目の前の光景に驚いて誰も何も言わない。
ビビり散らかしてた康二からはごくりと唾を飲む音が聞こえる。
「う、わあ....」
そんな声を漏らしたのが誰か分かんないくらい、きっとみんなは釘付けで。幼馴染のこーいうのは見たらいけない気がして、俺はそっと後ろを向く。
「〜〜っ」
『っはぁ...涼太具合悪いからちょっと抜けんね』
そう言って手の甲で口を拭って涼太の背中と膝裏に手を回して、所謂お姫様抱っこをして扉の向こうへ。
お前そんな力あったのかよ...。
ラ「いまの、見ていいの...？」
目「...」
向「もうお嫁に行かれへん....」
阿「なんか...見入っちゃったね...」
深「ぶっちゃけ...うん....」
「「「....。」」」
岩「...とりあえず、だてさんのことはAに任せよう」
「そーだな」
まあ、こうでもしないと涼太は無理していただろうからAが動いてくれて良かったわ、とほっとしていれば、今まで黙っていた佐久間が「くっそ...最高かよ....」と呟いた。
＿＿
皆さんお久しぶりです！
おまたせしてすいません！！(泣)
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作者名：東雲 | 作成日時：2023年2月4日 1時
