高校時代のふたり ページ17
.
「Aまた呼び出されてたけど？」
「...知ってます。」
そうわざわざ言いつけて来るのは幼馴染の翔太。同じクラスなんだから知ってるに決まってるでしょ。なんなら相手の女の子のこと見てるから。そういうとそれもそーか、なんて前の椅子にまたがって体ごとこちらに向ける。
「まじ今年何人目なわけ？」
いーち、にーい、と指を折って数える翔太。ガラッと教室の扉が開いて隣の席の、翔太と俺の幼馴染が戻ってきた。
『涼太ただいまー...って翔太じゃん』
「まーた告られてたらしいじゃん。」
『断ったよ。知らない子だし。』
「ふーん。ま、それもそうか。Aにはりょ...いって！」
『ちょっとだまれる？』
りょ、って何？両思いの子でもいるの？俺の知ってる人？
じゃれあう2人をよそにそんなことを考えているとクラスの女の子がこちらへ来て。
「あの...Aくん、」
『ん？どうしたの？』
「せっ、先生が日直の人呼んでたから...」
『あー、俺じゃん。わざわざありがとう』
一緒に行く？そうAが顔を覗き込めば、同じ日直である女の子は簡単に顔を赤く染めるわけで。
「う、うん！」
なんてかわいらしいんだろう。女の子はいいな。周りの目を気にせずに、堂々と手を繋いだりできるんだから。
Aと結ばれるであろう、存在しない女の子を思い浮かべてでっかいため息をつく。
「もうさ、言っちゃった方が楽じゃない？」
当たって砕けちゃえよ、なんて。
「砕けちゃだめじゃん。いつも通りでいられる自信ないし。」
「それは大丈夫だろ。俺いるし。」
「はは、なにそれ笑」
翔太なりの応援なんだと思う。ぶっきらぼうに言われたけど背中を押されたのは事実で。
「A、放課後ちょっといい？」
『ん？うん。』
「がんばれよ〜」
そうにやけながら言う幼なじみをきょとんと見つめる男の子と、じとりと視線を送る男の子。
そんなふたりが結ばれるまで、残り3時間。
＿＿＿＿
大変お久しぶりでございます！
ネタはたくさん思いつくのですが、思い通りに文字起こしできず...ちまちまと書き続けております。
これからもたくさんお待たせしてしまいますが気長にお待ちいただければ幸いです！
そしてついったー(女主ばかり)の方稼働しましたのでよろしければ！
【 @meow__9x 】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 398人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東雲 | 作成日時：2023年2月4日 1時
