砂糖よりも甘くてあまくて ページ15
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すう、と寝息を立てるのは愛おしい恋人。起こさないようにベッドから降り寝室の扉を開けようとすると布団が擦れる音がして振り返る。
『....りょーた？』
上半身を起こしたAが、寝起き特有の掠れた甘い声で俺の名前を呼ぶ。
「ごめん、起こしちゃったね」
Aに近づいて跳ねる髪の毛を直すように頭を撫でるとぴょこ、とまた主張する髪の毛は自我があるようでかわいい。
「ふ、すごい寝癖。」
『りょた...』
「はあい？」
抱っこをせがむように両手を広げるAの背中に腕を回して強く抱き締めれば、『ふへ』と笑って抱きしめ返してくれるAはとてもかわいくて。
ぐっとAの方に身体を引っ張られれば一緒にベッドに逆戻り。
「びっくりした....あぶないよ」
『んへ、ごめんねぇ』
これまた甘ったるい声で返事をするAの顔にかかる前髪を退かせばかわいいお顔とご対面。はちみつ色の瞳と視線が合えばドキリと胸が高鳴って、平常心を装ってまた抱きしめる。
『りょーたドキドキしてる』
「...してない」
『うそだあ』
抱きしめたのが間違えだったみたいで、このドキドキが伝わってしまうほど密着しているAは俺の胸元に耳を寄せてはにやりと笑って。
『ほら、心臓どっくんどっくんだよ？』
主導権を握ろうとするAに、そうはさせまいと指を絡めとってシーツに押し付ける。
合わさった唇をぺろりと舐めれば深いキスの合図。柔らかな舌を絡めとって上顎をなぞればびく、と身体を揺らして。身体に触れれば一段と声が甘くなって、ぎゅっと俺の服を掴んで耐えているようだった。
『っ....は、』
「...ふふ、良いカオ。」
息を整えながらかぁあっと顔を真っ赤に染めるAの唇をまた奪って、Tシャツの裾から手を入れて鍛えられた腹筋をなぞれば砂糖よりも甘い声が鼓膜を揺らす。
『ゃ...りょた、まって』
「待ちません」
ふと目が覚めた午前5時。こんな早朝になにしてるんだってことはこの際どうでもよくて、今日が休みでよかったと心から思った。
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作者名：東雲 | 作成日時：2023年2月4日 1時
