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引っ張られるがままついて行くと雰囲気が変わって。どうやらホテル街に来たようだ。適当なホテルに入ってパネルを操作する涼太の背中を見つめる。
エレベーターの中でちらっと見た顔はやっぱり怒っていて、部屋に入るやいなや大きなベッドに放り投げられる。
こんなに乱暴な涼太は初めてだ。それでも顔や耳、首筋にキスを落とす唇は優しくて。
『んっ、あ...りょた、っ』
「大丈夫？どこも触られてない？あ、でも腰...」
ぼそぼそと1人で喋りながらぺら、と俺の服を捲って腰を撫でる。腰にキスを落としながら肌を撫でる手がどんどん上にあがってきて、胸の飾りを掠めそうになった時。
『すと、ストップ！！』
このままではだめだ。声を上げるとピタ、と涼太の動きが止まる。熱を帯びたその瞳にはもう怒りなんか感じられなくてほっとする。
『はなし、きいて』
「...うん、ごめん」
そう言うと身体を起こしてくれて、向き合う形で座り直す。道案内お願いされて、と一連の流れを話すとぎゅっと抱きしめられた。
「そっか。もっと早くこれば良かったね。ごめんね」
『ううん。助けてくれてありがと』
お礼と言ってはなんだけど。ちゅ、と音を立てて涼太のほっぺにキスをする。
顔を見合せて笑いあって、どちらからともなく唇を合わせるとどんどんそれは深くなって今度は優しく押し倒される。あっという間にさっきの体制に元通りだ。
『っりょた、シャワー...っん』
「だめ、俺で上書きして？」
『っ、』
頬を包まれて噛み付くようなキスをされる。かと思えば下唇を涼太のふっくらした唇に挟まれて。
「この可愛い唇も、」
『んっ、あ...』
ちゅ、と唇を離すと今度は腰、腹筋に涼太の唇が触れる。
「白くて綺麗な肌も」
『っ....ひ、ぁっ』
「Aの可愛いところ全部俺のものだから。だれにも触られちゃだめだよ。」
わかった？そう言って口を離して、俺の髪を指で掬う涼太は色っぽくて。
『はひ...』
この場所と雰囲気に似合わない間抜けな俺の返事に、涼太はいつもの優しい顔で微笑んだ。
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作者名：東雲 | 作成日時：2023年2月4日 1時
