大丈夫、俺らなら。

後悔 ページ8

阿部side







ゆらゆら揺れている。
なんだか安心する匂いと暖かさ。





阿部『んっ...』

深澤『あ、阿部ちゃん？起きた？』

阿部『ふっ..か？』

岩本『起きたか？』

阿部『ひかる...？あれ、俺...』





俺は照におんぶされていた。


なんで...？
あれ？さっきまでのは....






阿部『っ！！舘さんとめめは？！？！ねぇ！！』

岩本『おい！暴れんな！！落ち着け。』

深澤『阿部ちゃん、深呼吸。』


ふっかにそう言われ、何とか呼吸を正す。
そして改めて聞く。





阿部『2人は...？』

深澤『めめはまだ治療中。舘さんは処置終わったよ。まだ目を覚まさないけど外傷は少ないってさ。めめが守ってくれたお陰。いまから舘さんの様子見に行くの。』

岩本『阿部も顔みたら少しは安心だろ？
もうちょいだから大人しくしてろ。』

阿部『そっ..か。』





歩こうか迷ったけど照が降ろしてくれそうもないし、なんだか安心できる背中にもう少しだけ居たかったからそのままにした。



【宮舘涼太】とかかれたプレートの部屋につき、照に降ろしてもらって中に入る。





そこには先程とは違い、綺麗な顔で眠る舘さんがいた。





阿部『舘さん...。舘さん...泣
よかっ、た。よかった...泣』

深澤『阿部ちゃん...。』





ふっかが頭を撫でてきて、また涙がでる。
それは嬉しさだけでなくて、後悔もあって。






阿部『俺...なんも出来なかった。近くに居たのに守ることもできない。2人が事故にあったのに、体が動かなくて、佐久間に言われてやっと救急車にのって、
中でも何も出来なくて、ただ祈るしかできなかった。色んな勉強してるはずなのに、こんな時になんにも役にたたなかった...泣』





今更後悔しても意味の無い事だけれど。



そう呟くと、頭にぽんと手が乗る。






岩本『阿部。』

阿部『？』

岩本『だったらこれから変われ。どんな困難にだってお前は向かって進んできただろ。お前の1番の武器は努力と向上心だろ。』




照はいつも優しくて、なおかつ俺を高めてくれる天才だよね。カッコよすぎだよ。





阿部『...ありがとう、照。泣』






舘さんの手を握ると、暖かくて安心した。

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