大丈夫、俺らなら。

出会い ページ36

宮舘side






今日は、大介もこないから暇だった。


検診も終わって、怪我も酷くないからもう歩けるし。


暇だから病院を散歩している。といっても、俺が動けるのは特別病棟室内だけだけど。





明日、どんな話をされるんだろう。

担当の先生にも、検診で過去を知りたいって話したら



先生『うん、そろそろ体調面は心配なさそうだしいいと思うよ。ただ、記憶はいい事ばかりではないよ。でも乗り越えようね。一緒にがんばりましょう。』


と言ってくれた。


明日、先生と大介と事務所の人が来てくれるって話になったらしい。


不安だけど、自分の為にも勇気を振り絞らなきゃ。





看護師『○○くんそっちは行っちゃダメ！』



考え事をしながら歩いていたら、ちいさい少年がこちらへ走ってきた。


○○『わっ！！』

宮舘『あ。』



目の前の少年は、足が滑って転んでしまった。
衝撃は強くなかったが、痛そうだったので思わず声をかける。


看護師『あーあ、まったくもう！』

宮舘『大丈夫？』

○○『...だてさま？』

宮舘『え？』

○○『だてさまだ！！』


少年は顔を上げると俺を指さしながら《だてさま》と呼んだ。


看護師『あ、ちょ、もう戻るよ！すみません...。』

○○『おれのおねーちゃんがね、すのーまんすきなんだよ！だてさまがね、もどってくるのまってるって！おねーちゃんのへや、だてさまのしゃしんいっぱいなの！だからね...』



慌てた看護師さんは少年を抱き抱えて止めに入るけど、構わず喋る少年。どうやら、《だてさま》というのは俺で《すのーまん》というグループにいるらしい。


宮舘『ふふ、そうなんだ。』

○○『おれもね、おねーちゃんとてれびみてすのーまんすきになったんだ！おれは、さっくんがすきなの！おねーちゃんがおれがげんきになったら、さっくんにもあえるっていってたから、おれもがんばるんだ！』

宮舘『そうだね、元気になったらまた会えるね。
その為には、看護師のお姉さんの言う事をちゃんと聞かなきゃダメだよ？《さっくん》に会うためにもね。』

○○『はぁい！』

宮舘『ふふ、いい子だね。○○くん、下の名前は？』

しょうた『しょうた！いわいしょうただよ！』

宮舘『しょうたくん、またね。』

しょうた『うん！だてさま、またね！』



看護師さんと繋いだ手と逆の手をぶんぶん振りながらしょうたくんは帰っていった。


色々な言葉がでてきたせいか、どっと疲れてしまい足早に部屋に戻りベットに飛び込んだ。

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