大丈夫、俺らなら。

光 ページ25

渡辺side





あれからみんな少しずつ仕事が増えきた。




阿部も本調子じゃないながら相変わらず頭の回転は早いようでクイズ番組では活躍中。


共演者の方もいい方ばかりで、事前打ち合わせで無理のない程度を探りながら、テレビ向けにメンバーの病状について触れてくれるそう。


それは阿部が今まで培ってきた信頼があるからだ。嫌味な聞き方をする人は1人もいなかった。



佐久間とは相変わらず誰も連絡が付かずで、涼太も面会謝絶のまま。滝沢くんが2人のことはまかせてほしいとの事になったので、俺らは仕事に集中してる。




そして、今日きた嬉しい連絡。



マネージャー【目黒、目を覚ましたって。みんな時間が合えば集合してほしい。】



仕事が終わり、急いで病院に向かった。



渡辺『わりぃ！遅くなった！』

ラウール『しょっぴー！めめ、しょっぴーきたよ！』




目黒の前にいくと、目を開けてくれた。



渡辺『っ...泣、めめ、頑張ったな...。』

目黒『しょ、...ぴ、...おは、よ』




小さい声だけど、ちゃんと俺の名前を呼んでくれた。




渡辺『よかった、よかった...泣』

岩本『目黒。疲れたよな。もう少し休みな？』




目が閉じそうになる中、目黒は必死に俺らを見回した。そして、眉を下げてこう呟いた。




目黒『..くまく、ん、..て、さん、は？』




目が覚めたばかりなのに、お前はそんなことまで考えられんのか？と驚いた。



深澤『大丈夫だよ。舘さんも元気になったよ。めめのお陰。ごめんね、全員の顔を見せてあげられなくて。めめ、今はもう少し休も？』


ふっかが機転をきかせてくれて、安心した目黒はまた眠りについた。




向井『めめ、流石やなぁ..笑』

阿部『...自分の心配してほしいよ、本当に..。』

渡辺『佐久間、まだ連絡つかねぇの？』

深澤『滝沢くんの連絡には返してるみたいだけど、
俺らには待ってほしいって。』

岩本『あいつさ、辞めようとか、考えてないよな...』

ラウール『...やっぱり佐久間くん2人の事故、自分のせいだって思い込んでるのかな』

深澤『...どういうこと？』

岩本『これは俺とラウールの憶測だけどな..』




照達の話は、確かに佐久間の性格なら有り得そうだったからこそ、みんなどうしたらいいか悩んでしまった。
こういう時はいつも涼太が佐久間に合わせた方法で解決してたから余計に俺らには手出しが難しい。




渡辺『こういう時、涼太が居ればな。』





思わず呟いた言葉に皆が静かに頷いた。

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