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ゆっくりと ページ16

放課後の楽しみはなくなった。





学校には話す友達もいない。




ただ、淡々と過ぎていく毎日。







帰ろう。








あの子今日は彼氏いないんだ笑





えー別れたんじゃない?




え、ありうる笑








相変わらず、指をさされ笑いもののように扱われる。






ここ、すごく嫌い。




学校大嫌い。



あの人たちも嫌い。



この道も、あそこのお店も



蓮くんの思い出しか無くて嫌い。







全部全部消えちゃえばいいのに。










少しずつ、少しずつ




外に出られなくなった。





最初は学校で息ができなくなって、



2コマ欠席した。






学校への道中で、動機や目眩がして




1日休んだ。





朝起きて準備し始めると



お腹が痛くなることが続いて





3日間、休んだ。







異常なまでの眠気と、倦怠感で起きれなくなり




気づけば講義の時間で




起き上がることすらできなくなり





1週間が過ぎた。







試験中、突然音がしなくなり、頭が真っ白になった。








単位を2つ落とし、この2週間の生活で



留年が確定した。







4年制大学には幅広い年齢層の人がいたが



続けられないと確信し





自主退学した。







人生のなかに中退のレッテルが貼られた。







もちろん、退学手続きが終わって1週間以内に



退去しなければいけなかった。








職を探そうにも資格もなく中退であったのもあり



見つからず、フラフラと歩いていた。








大通り。




流れるように走る車たち。







もう、いいかもしれない。





生きなくても。飛び込むほうが楽かもしれない。







少しずつ、道路へと足をすすめる。






あぁ、もう楽になれる。




走ってくるトラック。







吸い込まれるような感覚。








蓮くんと笑って生きられたら良かったのに。







ゆっくり瞳を閉じてる。








ばいばい、蓮くん。









トラックのクラクションの音。




横を過ぎてく車の音。








誰かが遠くから叫ぶ声。









急に引かれる腕。






包まれる体。





体勢が90度変わる。









?「なにしてんの!?」









上から降ってくる声。







ハーフのような顔を男の人が私を見ていた。

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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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