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佐久間side。

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渡「…人見知りなんだよ」

そうじゃん。
しょーた、人見知りじゃん。

女の子と話すのだって、どっちかって言うと得意じゃないはず。
よく「冷たい」とか「デリカシーない！」とか言われて面倒くさいって愚痴ってるぐらいだし。
それなのに出会って間もないはずのAちゃんとは普段通りの翔太で接してるのが不思議というか…信じらんないわけよ。

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Aちゃんのホテルに置きっぱなしの荷物とか、前の家にある荷物をどうしようかって話になったタイミングで照が風呂から上がって来て。

岩「俺車出そうか」

椿「え、わざわざそんな…」

岩「だって俺も明日休みだし。丁度いいじゃん」

いつもの如く遠慮しそうになったAちゃんだったけど、有無を言わさない照の態度にすんごく申し訳なさそうに「じゃあ…」って甘えてて、この子にはこのぐらい強引に関わった方が素直に頼ってくれるようになんのかなって思ったり。

ほんとは俺が手伝ってあげれんのがAちゃんも一番気ぃ遣わないんだろうけど…生憎明日はお仕事だから。

岩「早めに動き出した方がいいだろうから9時出発でいい？」

椿「はい。ありがとうございます」

早く起きるなら早く寝なきゃね、ってなって照があがったことで空いたお風呂に遠慮しぃなAちゃんを送り込んだ。

「ありがとね、照」

岩「ん？車出すくらいいーよ別に」

「それもだけどさ…」

阿「Aちゃん。うちに来てくれて嬉しいんでしょー」

ノートにペンを滑らせていた阿部ちゃんが顔をあげてぜーんぶ見透かすみたいにフフンって笑う。

岩「それは俺の一存じゃないから」

そうだけど、照がイエスと言うかノーと言うかって結構おっきいと思うんだよね。
照の意見に流されるとかそういうのじゃないけど、みんなの照に対する信頼って絶大だから。

渡「佐久間ってAのこと好きなの？」

「はあ？」

スキンケア済みの拘りもちスベ肌を光らせる翔太が突拍子もないことを言う。
俺がAちゃんを好き？？

「そりゃ好きでしょ。嫌いな子をわざわざ自分のテリトリーに入れるメリットなんてないじゃん。」

渡「あーそうじゃなくて。女として見てんの？」

阿「女としてって…またストレートな。」

岩「ほんと言葉選ばないよね」

渡「え？俺なんか悪いこと言った？」

キョトンとしてるところを見ると純粋に気になったから聞いたって感じで他意はないんだろーなって。
翔太らしい。